接頭辞(2):反対、否定、非ず、逆の意味になる語 counter‐

英語

日本語にも、不完全の「不」とか無責任の「無」、未完成の「未」、非課税の「非」のように、頭に否定的な文字を付けて、逆の意味にする単語ってありますよね。英語にもあって、それが今回ご紹介する接頭辞になります。日本語もいろいろな文字がありますが、英単語もたくさん種類がありますので、今回は日本語にも馴染みのある分かりやすい接頭辞を中心に整理しました。

counter-

ボクシングの世界でカウンターと言えば、相手のパンチに合わせて同様のパンチを繰り出す強力な技ですが、カウンターパンチ(counterpunch)の略で、反撃する、の意味になります。
英語では、頭にcounter-がつくと反対する、とか対抗する、といった意味になり、相手や行動に対して同じことをそっくりそのままやり返す、といった感じのイメージになります。
counter-の後には、動詞、形容詞、名詞をつけることが出来ます。

counter-動詞の単語

counterpunch:反撃する

→counter-+punch(パンチする)

counterattack:反撃する

→counter-+attack(攻撃する)

counteract:対抗する、妨害する

→counter-+act(行う)

countercharge:反撃する、逆襲する、反論する

→counter-+charge(請求する、つけで買う、記入する、つける、非難する、告発する、(…の)せいにする、負わせる、課する、引き受ける)
chargeって単語、色々意味があって分かりづらいですよね。「何らかの負荷を負わせる、負わされる」というイメージで覚えるととらえやすいと思います。もともとは荷馬車に荷を積むという原義があって、そこから不足を満たす、負荷を負うといった意味が生まれたようです。ですのでcounterchargeは負わされた負荷をやりかえす、という意味で反撃する、反論する、に繋がっています。

countercheck:再照合する、ダブルチェックする

counter-+check(調べる、停止、妨害、阻止、抑制、防止、監督、監視)
checkも色々な意味がありますが、もともとはチェスや将棋で王手のことをチェックメイトや単にチェックと言いますが、その王手(チェック)が語源です。
王手が合っているのかを「調べる」ことから様々な意味が派生したので、例えば、停止するという意味で使われる場合は、突然の停止、といった意味になります。徐々に止まるといったイメージではありません。
またcountercheckの他にも、recheckdouble check、も同様の意味ですが、countercheckと言う場合は、正確・安全を期して実施する、わざわざ実施する、といった、重みを持たせて言いたい時に使うケースが多いようです。

counter-名詞の単語

counteraction:反作用

→counter-+action(作用、動作)

countermove:反対運動、報復行為

→counter-+move(動き、動作)

counterterrorism:テロ対策、対テロ戦略

→counter-+terrorism(テロ行為)

counterculture:反体制文化

→counter-+culture(文化)

counterpart:対の片方、(形・機能などが)よく似た者、相対物、対照物、(正副二通中の)一通、副本、写し

→counter-+part(全体の中の一部、重要な部分、本、お話しなどの巻、回、部)
counter-という接頭辞がつくと、アクションに対する反対の意味が多いので、ネガティブな単語になりやすいのですが、このcounterpartという言葉は、partner(相方、相棒、共同経営者)にも通じるpartの接頭辞なので、悪い意味ではありません。
日本語としてもコンサルやIT業界などではカウンターパートという言葉が良く使われますが、この場合は、自分と対等な相手、のことを指します。
なので例えば「あなたは最適なカウンターパートだ」と言われた場合は、ビジネスパートナーとして最適ですよ、という褒め言葉になります
またpartは対の片方という意味なので悪い側ではなく味方の相方、を指します。
なのでコンサルとクライアントはカウンターパートである。といった意味、使われ方をします。
カウンターとついているからか、同業他社(商売敵)みたく使う人がたまにいますが、誤用なのとミスコミュニケーションを誘発しますのでご注意を。
またcounterpartは「対等」を強調したい時に使う場合もあるので、目上の方には使いません。これも注意した方が良いですね。
それと「私のビジネスパートナー」と言った意味で「カウンターパートナー」という言い方をする方もたまにいますが、couterpartnerという英単語はありません。もしかしたら、ある地域、会社では日本語として成立した言葉になっているかもしれませんが、ほぼ誤用です。
まぁネイティブは分かってくれますが、嫌味な日本人界隈の中では英語使えない人あるある、みたいな例として陰で揶揄されることもあるので、本サイトをご覧になられるような方は、使わない方が無難です。

今回は、反対、対抗の意味をあらわす接頭辞、counter-を整理しました。

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