デイサービスのアイドル、勝男さん。
母の話では、勝男さんは出欠を取る時に誰よりも大きな声でハイ!と返事をしているらしい。
送迎のバスでは私に手を振ってくれる。愛想もよくてみんなのアイドルだ。
そんなある日のこと。
デイサービスのお帰り時刻30分前は毎度恒例のカラオケタイム。
勝男さんの順番が回ってきた。
介護士の1人が声をかけた。
「勝男さん!次、出番ですよ!」
声をかけたが、勝男さんは下を向いて目を閉じている。
あれ、寝てるね、勝男さん、ほら、起きて、勝男さん、勝男さん?
あれ?勝男さんてば!
みんなが何度声をかけても目を開けない。
すると、リハビリのお兄さんがポツリと言った。
「・・・もしや。」
一同に緊張が走る。
勝男さん!勝男さん!勝男さん!!
3人がかりで揺さぶって声をかけていると
「あーーーーうるせぇぇぇぇ! なんだよ起きてるよ!」
アイドルとは思えない野太い声で唸りをあげた勝男さん。
あぁー、よかったぁー寝てたんだ。
全員がホッとした。
そして何事もなく千昌夫を歌い出した勝男さん。
今日のデイサービスはそんな刺激的な出来事があったようです。
次回はどんな話をしてくれるかな。
毎回、デイサービスのあとの母の話が楽しみです。
