日本語にも、不完全の「不」とか無責任の「無」、未完成の「未」、非課税の「非」のように、頭に否定的な文字を付けて、逆の意味にする単語ってありますよね。英語にもあって、それが今回ご紹介する接頭辞になります。日本語もいろいろありますが、英単語もたくさん種類がありますので、接頭辞シリーズとして整理していきますね。
il-
接頭辞(3)のin-でお伝えしましたが、今回紹介する接頭辞il-は、im-、ir-と同様、実はin-の異形で、反対、逆、不を表します。発音の関係でスペルが異なっているだけ(正確には後に続くアルファベットが何か)で、il-の場合は、語頭(接頭辞の後にくる語)がlの場合、発音の関係でin-ではなくil-に変わります。音で単語を覚えるときには意識しておきましょう。
il-の後には、形容詞、名詞をつけることが出来ます。
il-形容詞の単語
illegal:違法の
→il-+legal(法律上の、法律に関する)
企業でも作成文書に関してリーガルチェック(該当文書が適法かどうかを法務部門にチェックしてもらう)をしますから馴染みの言葉かもしれませんね。靴を代表するアパレルブランドのリーガル社はRegal(王者らしい、堂々とした)といったまさにリーガル社のコンセプトそのものの名前になりますが、lとrで大きく異なるので注意しましょう。
illogical:非論理的な、意味の通らない
→il-+logical(論理的な)
illegible:判読しづらい、読みづらい
→il-+legible((字・印刷物が)判読できる)
illiterate:無教育の、読み書き出来ない
→il-+literate(読み書き出来る、教養のある、博識の)
il-名詞の単語
illiteracy:無教養、無学
→il-+literacy(読み書き能力)
例えば、PCリテラシーといった言いまわしで、●●リテラシーが高い、とか低いとかって言い方を耳にしたことがあるかたも多いと思いますが、●●に関する能力が高いか低いかって意味で日本でも使いますよね。もともとのliteracyはletterと同じ文字に関する語源から派生していて、読み書き能力、という単語にilがついて、読み書き出来ない→無教養になったようです。illiteracy rateで非識字率と訳されますから、今でも読み書き出来ない、という意味でも使われています。
illegality:違法、不法行為
→il-+legality(適法、合法)
illegibility:読みにくさ、判読不能
→il-+legibility(読みやすさ)
illogicality:非論理性、不合理、不合理なこと
→il-+logicality(論理性)
illegitimacy:違法、非合法、不条理
→il-+legitimacy(適法、合法、正統)
今回は、反対、逆、不の意味をあらわす接頭辞、im-を整理しました。