前置詞・副詞(1)_On

前置詞・副詞

ネイティブが話していたり、歌詞をみると、難しい単語とかではないのに、意味が分からない。。ってこと、ありませんか?その原因の多くは、動詞や名詞と組み合わせて使われる「前置詞・副詞」のイメージが出来ていないことが原因だと思われます。いわゆる英熟語ってやつですね。ただこの英熟語、組み合わせであるが故に一つ一つを覚えようとすると膨大な数になるのと、inでもatでも合ってるけど、このニュアンスで伝えたいならatみたいな、どっちでも通じるけれど表現によって使い分けている、という時も多いので、それぞれの前置詞・副詞が持っている意味のイメージを捉えて使い分けることが重要になってきます。このシリーズでは、前置詞・副詞の持つコアなイメージと使い方を整理してお伝えしますね。

Onのイメージ

Onと言えば、「~の上に」というイメージが最初に覚えるイメージだと思いますが、接触しているイメージが持てれば上下左右は関係ありません。まずは、「on=接触(上下左右関係なく)」、でイメージしましょう。また、分かりやすいのは物理的な接触ですが、必ずしも物理的なものだけではなく、「時間や状態、気持ちが接触しているイメージ」もあります。ここのイメージを獲得できるとグッと身近になると思いますので、丁寧に整理していきましょう。

接触のOn

→まずは接触のOnの整理から。

・本が机の上にある:The book is on the table. 

はもちろんですが、上下左右関係ないので、

・ハエが天井に止まっている:A fly is on the ceiling.

もonになります。また、

・魚が釣り針にかかった:The fish is on the hook.

という場合にも、釣り針と魚が接触しているのでOnを使います。ピンポイントなのでat the hookかな?と思うかもしれませんが、英語のニュアンスとしては、at the hookだと、フックの近くにいる、という意味になり、魚が釣れた状況を表すには不自然になってしまうため、onの方が正しい表現になります。接触していたらonなんですね。また、乗り物に乗る時もonを使いますが、接触している、と捉えると分かりやすいですね。

・彼はバスに乗った。:He got on the bus.

また、空港などの発着を表示している掲示板に「on boarding(搭乗中)」と表示されていることを見たことがある方は、on boardが飛行機や船に乗るという意味も捉えやすいですかね。

ちなみに日本語でもボードといえばサーフボードやスノーボードなど板を示しますが、boardは元々は船の甲板のデッキボードをさして、on boardは乗船する、搭乗するという言葉になったようです。船の港はportで、空港はairportですから、on boardが飛行機に搭乗する際にも使われるようになったのは、英語圏の人たちからすると、自然な流れだったと思われます。今ではon boardとだけ記載されている場合は、飛行機に搭乗することを指します。時代とともに省略される言葉も変わっていくのですね。

また厳密には接触という分類では無いのかもしれませんが、

・彼は電話中です。:He is on the phone.

という表現も、電話と接触している、つまり電話中と言うことになります。このようにonには継続して接触している、○○中、というニュアンスもあります。

機器に接触しているイメージとしては、

・私はそのニュースをラジオで聞いた。:I heard the news on the radio.

のようにラジオを聞く際にもonを使います。TVの場合は、

・私はそのニュースをテレビでみた。:I saw the news on TV.

と言い、the を付けないのが一般的です。これはTVという機器ではなくて、TV放送全体を指しているからだと思いますが、インターネットの場合は、

・私はそのニュースをインターネットで知った。:I learned the news on the Internet.

としてtheを付けるのが一般的なので、TVにtheを付けないのは慣習的なことかもしれませんね。Now on TV(放映中)と言いますが、ラジオの場合はNow on the radio、とここでもtheの付け方は一緒です。

TVやラジオが無線や電波といった目に見えない、空気を伝って届くことから、on air :放送中 という言い方もしますよね。これは接触している(し続けている)ニュアンスが強く、生放送中という意味になります。ですので、off airというと生放送ではないつまり、収録された、という意味になります。また、on the airというtheを付けた言い方もされるようですが、口語ではon airが一般的です。また、空気を伝って届く、というニュアンスからなのか、TVとradioでの使用が一般的ですが、最近はインターネットでもライブ配信などの場合にはon airを使うケースが増えているようです。ただ、今は過渡期なのか「streaming live」や「live broadcast」などの言い方の方が一般的のようです。言葉は生き物ですね!

状態・継続のOn

物理的な接触ではない、状態や実施していることとの接触としては、

・私はダイエット中です。:I am on a diet.

・私は勤務中です。:I am on duty.

などもonを使います。dutyは「義務」を軸にして、任務や職務、税といった意味がありますが、職務に従事している(接している)最中という意味合いからonを使う、と理解すると覚えやすいと思います。一方で同じような表現に「I am at work.」と言う言い方がありますが、この場合はatを使います。なぜatなのかというと、workには職場という場所を指す意味もあるため、at workで職場にいる、つまり仕事中、といった言い方が出来るためです。

~し続けているというイメージではありませんが、

私はここに仕事で来たことがあります。:I have been here on business.

という場合にもonを使いますね。仕事に接しているときに、というように理解すると分かりやすいですね。

また、状態を示す言い方としては他に、on sale(セール中)という言葉も馴染みがあるのではないでしょうか。saleには他に、for sale(売り出し中)、off sale(販売終了)といった言い方があります。saleには、セール(割引販売)という意味もありますし、単に売っているという意味もありますが、なぜセール(割引販売)の時がonで、単に売っているときにforを使うのでしょうか。onには、「~の状態にある」「特定の状況である」というニュアンスを持っているため、「商品がセールという特別な状況にある」ということを表しているのです。一方でforは、「~のために」「~を目的として」というニュアンスを持っています。「商品が売るために提供されている」「購入可能な状態である」という意味を表して、割引があるかどうかに関係なく、「販売することが目的である」ことを表しているため、for saleという言い方になる訳です。非売品の事をNot for saleというのも、売るためのものではない、と考えれば、forがしっくりきますよね。off sale(販売終了)はセールにせよ通常販売にせよ終了した、という意味でoffが使われますが、offの前に20%などの言葉が入ると、20%offで販売中という意味になります。offだけだと終了ですが、20%offとなると2割引きで販売中、と逆の意味になる訳ですね。馴染みのある表記なので、スッと理解できるかも知れませんが、よく考えるとわかりづらい表現かも知れません。普段馴染みの少ないであろうoff saleが反射的に判断できるようにすることで、英語脳を作りあげていきましょう。

時間のOn

時間に関係する時にもonを使います。例えば

・次の祝日は月曜日です。:The next national holiday is on Monday.

と言います。もっともこの場合は、onを省略しても意味が通じますのでonが無くても問題ありません。(と言うか、最近は省略している方が普通かもしれません。)でも下記のように指定する場合にはonは必須です。

・火曜日にまた来て下さい。:Please come back on Tuesday.

また接触するイメージがonですので、

・時間通りに会議を始めましょう。:Start the meeting on time.

といった表現やスケジュール通りに進んでいる場合など、

・スケジュール通りに進んでいます。:We are on schedule.

等もよく使われます。オンタイムで進んでます、と言った表現は日本でも普通にビジネスでやりとりされますよね。

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