接頭辞(4):反対、否定、非ず、逆の意味になる語 im‐

英語

日本語にも、不完全の「不」とか無責任の「無」、未完成の「未」、非課税の「非」のように、頭に否定的な文字を付けて、逆の意味にする単語ってありますよね。英語にもあって、それが今回ご紹介する接頭辞になります。日本語もいろいろありますが、英単語もたくさん種類がありますので、接頭辞シリーズとして整理していきますね。

im-

前回の接頭辞(3)のin-でもお伝えしましたが、今回紹介する接頭辞im-は、il-、ir-と同様、実はin-の異形で、反対、逆、不を表します。発音の関係でスペルが異なっているだけ(正確には後に続くアルファベットが何か)で、im-の場合は、語頭(接頭辞の後にくる語)がb,m,pの場合、発音の関係でin-ではなくim-に変わります。音で単語を覚えるときには意識しておきましょう。
im-の後には、形容詞、名詞をつけることが出来ます。

im-形容詞の単語

impossible:不可能な、不可能で

→im-+possible(可能な、考えられる)

映画「ミッション・インポッシブル」シリーズをご存じの方は、一度は意味を考えたことのある単語ですよね。直訳すれば「(任務遂行)不可能な指令」みたいな感じでしょうか。サラリーマンなら一度はつぶやくセリフですよね。。

immoral:不道徳な、ふしだらな、わいせつな

→im-+moral(道徳的な、倫理的な)

モラルとは日本語としても道徳的な、といった意味合いで広く浸透していますが、moralはどちらかというと(性的に)純潔な、貞節な、という意味合いも強いので、もしかすると日本語に近いのはethical(倫理的な、道徳上の)の方が近いかもしれませんね。

immemorial:(記憶・記録にない位)古い、遠い昔の、太古からの

→im-+memorial(記念の、記憶、、記念碑、覚え書き)

improper:不適当な、ふさわしくない

→im-+proper(適切な、ふさわしい、ちゃんとした、上品な)

properがもつ「適切な、ちゃんとした」という意味になぞらえて、日本では、正社員や新卒から入社した正社員、直雇用社員などをプロパー社員という言い方をしていますが、英単語にはそういった意味合いはありませんので注意が必要です。

immoderate:節操のない、過度な、法外な

→im-+moderate(節度のある、度を越さない、穏健な)

moderateって、moderator(モデレーター、司会者)と派生したり、名詞としてmoderateを使うときは穏健主義者(ハト派)といった色々な使われ方をしますので、なんとなくイメージがつかみづらい単語ですが、音楽用語で中くらいの速さ(ちょうどよい速さ)を意味する「Moderato(モデラート)」がイタリア語でありますが、おそらく「ちょうど良い」「いい塩梅で」「よしなに進める」といった意味合いが原義で、そこから司会者だったりハト派の人を指すようになったと捉えてみるとイメージしやすいと思います。
ちなみに「モデレートしてください」といった訳を目にした場合は、「よしなに進めてください」といった意味合いで、「依頼が来ている内容を確認して承認(もしくは否認)して下さい」と捉えると良いかと思います。

im-形容詞の単語

imbalance:不安定、不均衡、アンバランス

→im-+balance(天秤、つり合い、平均、均衡、調和)

英語でも「unbalance(アンバランス)」という単語があって、こちらもバランスが取れていない言葉ですが、どちらかというとunbalance(アンバランス)は「均衡を破る、錯乱させる、不均衡にする」といったバランスを崩すといった意味合いなので、バランスが取れていない、不格好だよね、不均衡だよね、という意味合いでは、imbalanceの方が近いので注意しましょう。

imperfection:不完全、欠陥、欠点

→im-+perfection(完全、完璧、仕上げ)

impermanence:永久でないこと、一時性、はかなさ

→im-+permanence(永久、恒久不変、耐久性)

impatience:短期、せっかち

→im-+patience(忍耐、根気、辛抱強さ)

improbability:ありそうもないこと、本当らしくないこと

→im-+probability(ありそうなこと、見込み、公算、起こりそうなこと)

今回は、反対、逆、不の意味をあらわす接頭辞、im-を整理しました。

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